症例を共有して 治療のヒントをみつけましょう

ロイス・ディーツ症候群は 国際的に統一された 診断基準や治療法は 確立されていません
私たち患者の自助としまして 診療から得られたことを共有し 治療のヒントにしましょう

こちらでは 個人の情報に配慮しまして 概要をご紹介します
詳しくは、患者会員の専用ページで、閲覧できるようにします
LDS患者様とご関係者様のご参加を お待ち申し上げます

三つの治療(3種ホルモン補充、抗カンジダ、消化管の機能補助)と効果について

Please refer to the English PDF here

Contents:

Two Questions About the Permeability of LDS Thin Skin Membranes / Symptom Transition from Childhood / Treatment After LDS Diagnosis / Pulse Wave Testing CAVI Low in Two LDS Patients

親愛なるLoeys-Dietz Syndrome Foundationの皆さま

皆さま こんにちは はじめまして! LDSFのみなさまへ、初めてメールします。LDSの情報をご提供くださり、心から感謝いたします。
現在、私 は57歳、日本人の女性で、2019年にLDS2型と診断されています
本日は「LDSガイドラインの当時と現在」について、2つの質問をいたします

私の場合、30歳代は無症状、40代から*アレルギー、腸炎、乾燥肌、頭痛、関節周囲炎、大動脈解離、50代から**筋力の低下と関節の過可動、傷治癒の遅延、腸の働きの低下、血圧80/50へ低下、眼瞼下垂・斜視、体毛の減少

私の場合、軽度の口腔カンジダが、胸焼け、食欲不振、下痢・嘔吐・膨満、食物アレルギー、湿疹、粘膜の乾燥や痛み、膀胱炎、倦怠感に影響を与えます

記録を辿りますと、身長52.5㎝ 体重3950g 胸囲36㎝ 頭囲35cm 予定日より遅れて誕生した私は、母の話では「良く寝る子」、すぐに目覚める姉とは対照的だったそうです。

幼少期では、姉は活発で良く食べ、私は食細く、早起きが苦手で午前中は不機嫌、本を読み、絵を描くのが好きで、プールや海水浴でダウンした思い出があります。右写真は10歳の私。家族はテニスやゴルフを楽しむのを、手首が弱い私は見学していました。体育で気分が悪くなり、血圧が下がり保健室で休むこともあり、頭痛や下痢もよくありました。

思春期の12歳、急にテニスやスポーツ全般ができるようになりました。16歳で帯状疱疹が悪化して疼痛が残り、21歳にマイコプラズマ肺炎の高熱で2週間入院。25歳の夏、冷えた部屋から暑い廊下へ出て間もなく、激痛を伴う下痢嘔吐が始まり、膵臓を中心とする急性多臓器炎症で、慶応病院に入院しました。

30代、私のホルモンレベルは、同世代の中でも高水準でしたが、男性不妊による不妊治療のため、6回も大量のホルモンを投与されて、副作用もあり、子供を諦めました。仕事やスポーツ、温泉や旅行、体力は充実し、LDS症状はありませんでした。

40代後半に*アレルギー、腸炎、乾燥肌、頭痛、関節周囲炎の症状が現れ、血圧は90/60から120/70に上昇しました。 49歳、腹部と背中の激しい痛みは、腸炎と診断されました。未拡張の大動脈解離は、単純CTに映りませんでした。

標準用量エストロゲンHRT(ホルモン補充療法)開始後、*諸症状は一旦解消し、血圧も100/へ下がりました。

がんの手術前の2018年52歳時に、造影剤CT(右写真)で腹部の大動脈解離が明らかになりました。

未拡張・非高血圧での解離について、2大学の循環器内科では、「降圧剤治療は不要」と安全視されました。

3件目は外科を受診し、父や親戚の突然死も聞き取られ、LDS診断後に目標血圧100での降圧治療が始まりました。

LDS特徴が、血管や外見で目立たない為に診断されず、働き盛りに急逝される人々は多いのでは…と懸念します

父が脳幹出血で、50歳時に急逝する前、深刻な肌荒れ(細片剥落)、胸焼けと体重減少、筋力の低下がありました。父は乳児期に、中耳炎のために左聴力を失いました。「みなさまの声」で父の急変時をご参照願います。

父の母親(私の祖母)は、4人目(父)の出産から3年後、38歳で急逝しました。子の3名は90歳前後の長寿で、孫11名の内、2名が46歳と65歳で急死、他2名には、クモ膜下出血と脳動脈瘤の既往があります

祖母の兄の娘は、脊柱側弯症を患い、20歳時に心臓(穴と弁)手術を受けました。親戚は高等教育を受け、栄養失調はありません

2018年11月、手術で子宮と卵巣を失った直後から、標準量エストロゲンHRTが再開されました。舌が白くなり出血しましたが、どの医者も「治療を要しない」と言いました

2019年夏、全身で浮腫み、血圧が上昇。αβブロッカーが増量されると、痛みが悪化。その後にLDSFの講演会で、ディーツ博士が、ロサルタンとステロイドが治療で使用される旨の言及を見つけました! ロイス博士にお会いした別の医師が、ロサルタンに変更し、体が冷えて、浮腫と痛みが軽減されました。

2019年から2021年まで、右肩関節周囲(腕、胸、背中、首)の重度の炎症が続き、毎月ステロイド注射を受けました。ステロイドの効果が、直ぐに全身に広がり、2週間で消えるのを感じ、治るまでに3年かかりました。

医師によりますと「普通の人々では、通常、ステロイド注射の効果は限局し、数回の注射で治癒できる」そうです。確かに、私が32歳時、左肩の四十肩は1回の注射で治りました。

45歳時の左肩関節周囲炎は、広範囲で重症、鎮痛消炎薬の服用では、治るまでに3年かかりました。αβブロッカーや鎮痛剤など、毛細血管を広げる薬では、炎症や痛みを広げると感じます。

2020年の夏、**症状が加わり、血圧は80/50に低下し、左まぶたの眼瞼下垂と斜視は右より2週間早く始まりました。テストステロンHRT で、*と**症状は冬に回復しました。エストロゲン、テストステロン、ステロイドの三種混合クリームは、傷の治癒を早めます。

2022年の夏、症状は再び悪化しました。別の婦人科医が、エストロゲンとテストステロンHRT継続中なのに、私のホルモンレベルが「非常に低い」ことを発見し、エストロゲン投与量を1.5倍に増やして処方されましたところ、冬季に症状が軽減されました。

2022年、私の骨密度は、大腿骨0.838g/㎠、骨盤1.187g/㎠、左手首肘0.690g/㎠、骨粗鬆はありません。素手でホルモン剤を塗ります。

2023年には、運動しないで、筋肉量が3kg増加しました。

2024年、私は歩いたり、家事をしたりできるほど、回復しました。

2人の婦人科医は「普通は、ホルモンを体内で貯えられて、HRTを一週間しなくても、平気でいられる」と言われます。私は、毎朝と晩に、背骨・首・ふくらはぎを除く全身に、塗ることを欠かせません。顔や下顎、手首・足首、背中・肩に、希釈したホルモンを塗る必要があり、欠乏症状がでやすいです

LDS女性患者から「子供の頃から長風呂で体調が悪化する」と伺いましたが、私も同じです。シャワー浴後に、全身へワセリンを塗りますと、肌の乾燥を防げますが、ホルモンを保持できます。

日本メンズヘルス学会によりますと「胎児期にテストステロンの影響を強く受けると、薬指が人差し指よりも長くなる」。ホルモン量とバランスが、組織の成長や結合に影響するでしょうか? 写真は私の左手。LDS日本人女性患者の4名では、薬指が長いです。皆様はいかがでしょうか?

左目や左肩で欠乏症状が現れやすいのは、心臓がホルモンを消費するからでしょうか? 顔や手で欠乏症状がでやすいのは、ホルモン分泌部位の下腹から遠いから?

LDS論文「TGFβ受容体変異はヒトアレルギー疾患の強力な素因を課す」では、IgE、IgA、およびIgG抗体によるアレルギーが、胃腸不調の原因の可能性と示唆しています。

2021年のIgE抗体検査では、スギ・ヒノキ・ダニ・ハウスダストがレベル2でしたが、症状は年々深刻になりました。IgG抗体検査を受けますと、カンジダ・乳製品・木の実が高レベルでした。摂取を止めた後に、腹痛が減りました。

ようやく、消化管に吸収されない抗真菌薬が処方されまして、希釈水で頻繁に嗽いと、服用をしますと、口腔痛や胸やけが軽くなり、腹痛・膨満・下痢嘔吐・排便が整います。希釈水の鼻うがいで、鼻づまりや咳が治まり、希釈水で肌を洗いますと、かゆみが止まります。症状は冬に良くなり、春に悪化します

2023年、膀胱炎で抗生物質を服用しますと、しばらくは白舌や腸不調が治ります。子供の頃から虫歯になりやすく、現状を歯科医は「よく手入れされている」と言われますが、カンジダ治療は油断ができません。

肌が水分を透過して「ふやけ」やすい様に、常に浸潤している舌膜へ、カンジダは侵襲しやすい様で、短時間で白くなって痛みが出ます。

エストロゲンを顎下に塗布して、膜質を修復・改善を観察しています。

最後に、「動脈の蛇行は、脈波伝播速度を低下させるため、LDS患者におけるPWV値は、一般集団よりも低いのでは?」と質問します。

ミラノのグリロ博士は、マルファンのCF-PWVを調査しました。欧米ではPWV(頸動脈大腿骨)が、アジアではba-PWV(brachical-ankle)やCAVI(cardio-ankle vascular index)が健康診断に利用されています。

2022年から、慶應義塾大学病院の先生方が、低値の問題に取り組んでおられます

残念ながら、同院でLDS患者は私一人でして、これを調査することは難しいです

LDSの傾向値が明らかになりましたら、私のように、LDSの身体特徴を持たない人々への早期LDS診断に、役立つ可能性があります

私の場合、2018年51歳時のCAVI値は6で「20歳未満と同じ位のしなやかさ」と好評で、解離しましたが、筋力低下が進行した2021年に、CAVI値5.4へ下降。エストロゲン増量HRTへ変更した後の2023年には、CAVI値6.6へ上昇し、筋肉量も増えています

20代のLDS女性患者は、CAVI値が「測定できないほど低値」を示し、その後、出産中に動脈が解離しました。彼女も私も医師から、低値について注意を受けていません。脈波検査は、これまで高値のみが動脈硬化症の診断に利用され、低値は正常と看過されて、活用されていません。

CAVI/PWV低値の原因に、動脈蛇行・湾曲、脊柱側弯、心機能障害、低血圧等があります。これらの4症状は、LDSと重なりませんか? また、PWVやCAVI値は、エストロゲンやテストステロンの蓄積と関連しませんか?

日本では、LDSはMFSと同じように扱われ、LDSを理解する為には、MFSと異なる点が重要と思います。私の症例がLDSのどなたかに役立ちますよう願います

LDSFの情報は、スペイン語・フランス語・中国語に翻訳されています。ぜひ日本語も追加していただけますか?多くの日本のLDS患者が、助かることでしょう!

LDSFの皆さま、ありがとうございました! またお会いしましょう!

敬具   TOMOKO SAKAMOTO

LDSFからのご回答

・LDSF講演会では、司会のLDS女性患者が「更年期症状が、8年経ても解消されない」と、私の質問に言葉を添えて下さいました。婦人科医師方から「米国ではホルモンへの研究予算は少ない」「LDSでは、経血量の多い傾向、膀胱炎、血尿、排尿痛なども多くみられる」等のご回答を頂きました。

・ディーツ博士の2024年ご回答は、2020年3月と同じ内容でした。脈波の低値活用のページをご参照願います。脈波検査は米国で普及していない為か?外科の博士には、関心を持てない為か?

・LDSFでは三十数か国のLDS患者会と交流されて「TOMOKOも通訳を見つけて参加しませんか?」とお誘いを頂きましたが、医療制度も異なり、相互理解のハードルは高いと感じます。例えば、「胸やけ」を翻訳すると「Heartburn、心臓焼け」で、身体感覚の共有は、母語が異なると難しく思います。

・まずは、私たち患者自身が、LDSの治療環境が整うよう、様々な活動を行うことが大事と思いました

これまで、私はなんども治療を断られ、病院からの帰路、涙を流しました

皆さまは、どのような治療をされてきましたか?

痛みや つらさを、独りで抱えていませんか?

 一緒に語りあうことで、気持ちを軽くできましたら、嬉しく思います